たのちいいいいいいいいい(知能指数2)
前回はメカニカル的な面‥ビルダー目線での話をしました。
今度は、ドライバー目線でのお話を。
無事完成したモンキーエンジンのカート。
いくらホビーのマシンとはいえど、ドライバー目線で気になるのはやはり…。
「速いのか?」でしょう。
遅いです。カデットとMZの間ぐらい。
そらそうです。4スト125ccでっせ。
2ストで言えば62.5cc…コマーより排気量小さいですし。
思いっきり詰めてKTの1秒落ちってところです。
そう考えれば上出来。
てか意味不明魔改造マシンでそれなりのタイムが出る時点で褒めて欲しい。
そんなことよりもギアチェンジと11000rpmまでカチ回るエンジンが気持ちいい!!
遅かったら遅かったで、走り方をじっくり考えて走れるのでとても面白い。
本当に最高ですよ。
詳細を語っていきましょう。
・フロントブレーキがないことによる気持ちいい鬼ブレーキング
ミッションカート乗りの方なら気になることが有るでしょう。
それはフロントブレーキを付けてないこと。
正直、もともとそこまで速いマシンになることは期待してなかったし、部品代が嵩むしめんどくさいのでつけてません。
結果としては要りませんでした。
スーパーカブに乗ったことある人ならわかると思いますが、横型エンジンのシフト毎のギア比が広いエンジンブレーキは強烈です。
下手したら普通のブレーキすら要らないのでは?って思うレベルで効きます。
そのためシフトダウンのタイミングを2ストエンジンのミッションカートよりも一層慎重になる必要がいります。
ブレーキのタイミングとシフトのタイミングがズレて思ってる方向と違う方向にスッ飛んで行ったり。
そのため、よく効くブレーキパッドをつけたスプリントカートのようなブレーキングが可能です。
これが超気持ちいい。
カートのフロントブレーキって怖いもんね…。
・バイク用ギア比によるシフトの難しさ
環境に恵まれたおかげで、いろんなミッションカートに乗る機会を与えていただき、ROK-SHFTERもYZも乗ったことがあります。
こちらは完全にコンペティティブなエンジンなので、ギア比は完全にクロスしてます。
このエンジンは…公道を走るためのエンジン。
1、2速と3、4速のギア比がかなり飛んでいます。
そのため、発進以外で実質的に使うギアは3、4速。
うっかりコーナリングでミスしようものなら、3速状態で4ストのトルクに頼って我慢するか、ほんの一瞬2速を入れて加速に極振りするか。
…なんだかスポーツカーではないマニュアル車でもこういう悩みありますよね。軽トラとか。
でも、それはそれで面白い。
また、違う人を乗せてみると
「あのコーナー何速?」
「え、俺3速使う…」
とかで会話盛り上がること請け合い。
・承認要求と自己肯定感を上げていける
当たり前っちゃ当たり前ですが、すごく注目を浴びます。
どデカい謎のカーボンマフラー、なにかよくわからないごちゃごちゃした配管、カート・車好きには見たことのないエンジン。でもカート好きから見れば最新カウルのついた謎のTIA。走り出せばミニバイクの音。
違和感の塊です。
ドライバーとしてはやっぱり目立つことって大好きでしょ?そういう意味でも面白い。
これは比喩表現ではなく実体験ですが、持っていくサーキットのピットにいる人全員…見ず知らずの人も…このマシンについていろいろ聞いてきます。
ふふふ、そうだろう楽しそうだろうと内心ニヤニヤしながら話しています。
目立ちたい人は是非。
・キャブセッティングは?
↑KTに乗るぼく
カートドライバーの仕事のひとつとして、どんなエンジンでもキャブセッティングを出す必要があります。令和の空気をキャブで吸うな。
ではこの横型エンジンのカート用セッティングは?
まず、エアフィルターですがこれはマフラーを大型化しすぎた上にサイレンサーも抜いた結果、エア量が足りなくなったのでフィルターではなくファンネルをつけてます。
そして、もう一つ。
燃料ポンプをつけて燃料供給の問題は解決したのですが、負圧をマニから取ってる以上ポンプの供給量がアクセル開度に比例してしまいます。
その結果、アクセルの踏み具合でガソリンの過剰供給が発生します。
すると…フロートからも溢れたガソリンがオーバーフローして燃料が濃すぎる症状が発生します。
そのため、配管の途中でリターン配管を追加しました。
今回は、カートの通常のキャッチタンクにもどしています。直で繋いでもいいんですが、ガソリンを吸うための空気穴を追加する必要があるのでこのような方法を取っています。
それをした上で、スロージェットはφ85に合わせてます。
あとエアスクリューは2時間ぐらい。
まあ、普通のバイクと一緒ですね。
合ってるかどうかカンで。
・ありえんリア荷重
ちらっと書きましたが…。
このエンジン、びっくりするぐらい重たいのです。
一体何キロあるんだ?と思って測ってみたら…。
エンジン単体(マウント込み)で26kg、マフラーで4kg。計30kg!!
KTなんてSECでも13kg前後なのに…。
これにより、とんでもないリア荷重の動きになります。
上りのコーナーは本当にツラいので、雨の日のような荷重のかけ方が必要。
今悩んでるのはこれ。
できることというと…チェーン延長してエンジンを前にしたいところですが、クリアランス的に動かせて5cm程度。
あとはエンジンマウントの肉抜き、マフラーを軽量素材に変える?でも加工めんどくさいし…。
…まあ、このマシンと遊んでくれる友達ができたら考えます。
自画自賛しかしませんが、本当に素晴らしいマシンです。
トラブルもほとんど起きてません。
遅いから楽しくないんじゃないの?
いやいや。音、見た目、ギアチェンジの楽しさは完全にスプリントカートを上回ってます。
それでも予算は中古のボロいカートをエンジン付きで買うぐらいの値段。
やっぱりこの楽しさは乗ってもらわないとわかりません。
楽しい、楽しいとしか言ってませんけど、
「世界中の人が納得できるりんごの味の表現はない」ですからね。