貧乏人の知恵の見せ所。
片や鈴鹿サーキットの2021年ポイントリーダー。
片や5万円で組んだよくわからないなにか。
前回、ひとまず形になったTIAを「勝てる」マシンに仕上げます。
が、前提としてこのマシンのコンセプトを明確にしておきましょう。
⚪︎φ40シャフトとφ17ナックルは絶対固定。
それを変えればしなやかな動きになって速くなるのはもちろん理解してます。ベアリングホルダーのベアリング径はφ50用ベアリングと一緒だから、ホルダーはそのままでベアリングを入れ替えたらすぐφ50化はできます。あとブレーキはWFからC型ブレーキ、もしくはCRG系のブレーキを移植すればいいと。
ナックルも入れ替えてアッカーマンを合わせればいい感じになることもわかってます。
でもそこまでやったらTIAではないじゃないですか。
φ40シャフト!φ17ナックル!なんかパッドをナメそうな怪しいブレーキ!
その上に1040mmショートホイールベース、昔ながらのナローシャーシが合わさって、初めてTIAと呼べる、と僕は信じています。
この信念がいつまで続くのか。
⚪︎破損部品の交換は除いて、予算は5万円
それも含めてのさらに上記こだわり。部品を敢えてホイホイ買わず、破損は除いてマシンセッティングを合わせる勉強と考えて最低限のもので頑張る。
現時点、シャーシ4万円、φ17ハブ3000円。43000円号。
この2つにこだわって、マシンメイクを進めていきます。
つまり、
TIAらしさはそのままに、中古車体価格含め5万円の(それなりに)勝てるマシン
これが目標です。
まあ、ありものとか「古い中古レーシングカートを買ったものの、どうすれば人間は頑張らずに速くなるんだ?」という考えをお持ちの体たらくな人(僕含め)には参考になれば幸い。
まず定番のチューニングとして、ダブルシートステー。一番重たいパーツ、「人間」が抑える力、シートとシャーシを繋ぐ箇所を多くして高剛性化。
これがなけりゃはじまりませんってレベル。
よほどのハイグリップ路面は別として…。
TIAは、ベアリングホルダーがとにかく簡潔化…というか、基本設計が90年代で止まっているようなシャーシです。
そのため、ダブルシートステーにする前提でボルト穴が空いていません。
僕の場合は、左側はブレーキキャリパーと共締めにしました。
右側はなんかノリで。
シートステーは1本1000円〜2000円ぐらい?
僕はカートショップの在庫から使用用途がビミョーなやつ(FL製、M6ボルトのステー)を格安で入手しました。
ダブルシートステーは当たり前として、僕のTIAはフロアパネル2枚重ねを行いました。
これによりナローで負荷がかかりやすく、そもそもが柔らかいTIAの動きをもっとシャキッとさせようという狙いです。
フロアパネルは、カートショップの在庫処分セール的な扱いを受けてたため2000円。
ちょっと注意したいのは、ありもので組んだもののTIAは年式によってフロアパネルの大きさが違います。
僕の場合、脱着式タンクとリアスポ対応の新型TIAのためちょっと具合が悪かった。
が、前方4点をきちんとしめればそれなりにカチッと動くようになりました。
ごく自然な流れで冒頭に書きましたが、フロントハブ化もしています。こちらも足元の高剛性化が目的。
一般的なオープンシャーシはφ25。
ただし、繰り返しますがTIAは基本設計が90年代で止まっているようなシャーシ。フロントナックルはφ17です。
φ17の格安価格で湧いてくるハブとなると、現在のオープンカデット用シャーシ用ハブ。
カデット用のパーツってのもなかなかのお手頃価格でございまして…。
僕はOTK ROOKIEシャーシ用の中古を安く手に入れました。もちろんポン付け。
このTIA専用といっても過言ではないパーツ。
それがホイールです。
これは2007年ぐらい(TONYKART Racer EVX〜EVXXとかそのへん)のホイールを中古で購入。
現在、オープンシャーシのレースで勝つためにはとにかく高剛性なゴツいホイール…つまり1本2万円近くするなんとも言えない色のホイールですね…が必須と言っても過言では無いです。
こちらは僕が本チャン用として乗っているマシン。このマシンのホイールが4本で8〜9万円近くするので、接触で曲げると大体レース後に泣いています。
もちろん、このホイールは本チャンマシンを走らせない時には余ってるのでレースではTIAにも使っています!
なんてね。
TIAには高剛性ホイールは非常に相性が悪いです。
クソ高い高剛性ホイールとしての価値はもちろんあります。
が、TIAのグニャグニャなシャーシにはホイールの剛性がシャーシに負けて、バンバン跳ねまくるマシンに豹変します。
そのため、敢えての古いカートのマグネシウムホイールを装着してシャーシとのバランスを取っています。
これに関しては、ある程度のしなやかさがあるφ50シャフト・φ25ナックルのシャーシには話が通用しないかもしれないので、自身のシャーシのバランスを確認してください。
TIAの特異なセッティングというと、これぐらいではないでしょうか?
あとはセオリー通りにトレッドとかアライメントとかエア圧を合わせればそれなりに走ります。
事実、とあるコースの草レースではトップ争いの出来るマシンまで仕上がりました。
ここまで、
・シャーシ40000円
・フロントハブ3000円
・フロアパネル2000円
・ホイール(前後)5000円
計50000円
これ以上はカネは掛けれまへんで!
もちろんパーツ交換とかではないこの記事に書いてないことのセッティングは色々施していますが…それは自身で探してみてください(笑)
理解したつもりのカートセッティングを見直す良い機会。
勝てる、勝てないは一瞬置いておいて、TIAはセッティング勉強・トレーニングにはスタートもランニングも低予算で進められる最高のマシンです。
それでも、現在冒頭に掲げた「勝てる」ということに関しては目標達成できていません。
これに関しては走り方をTIA独特の走り方をしなければいけませんが…今回はマシンメイクの話だからまた別の話。あとは人間の問題。
総合的なシャーシ側剛性アップと帳尻の合わせた足回りセッティングが重要。それが行えればそれなりに戦える!
さて、次はこのTIAの走り方についてですが…
これが自分でも理解できてないから記事に出来ないのですナ。困った。