備忘録④

日々の趣味の備忘録。

スーパーカブ90のエンジン腰上オーバーホール。@57166km

ずぷり………ずぷり…………(4mini沼に落ちる音)

 

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いつものようにお買い物のためにスーパーカブに乗った時のこと。

快調に走ってはいるものの、ミラーを見ると煙が。

あれれ?

 

2ストロークのバイクではなく、今はカブに乗っている。

なのに白煙…ってことは。

 

オイル上がりか〜〜〜。

下がりか知らんけど…。

 

現在57000km。しかも多分エンジン周りは生産されてからはノーメンテです。

こないだまでクラッチも逝きかけだったし、まあそんな症状出ても違和感ないし…。

ついに4miniラビリンスの最下層、エンジンをバラします。

 

 

 

…の前に。

必需品、トルクレンチとサービスマニュアルを買います。

 

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といっても、サービスマニュアルは高いのでキタコの虎の巻(腰上編)。800円ぐらい。

あとこれからコアな世界に入り込むので、トネのデジタルトルクメーター。デジラチェが欲しいけどお金がない。Amazonで9000円ぐらい。

噂によると、中身は5000円もしない中華製らしい…けど、「日本の工具屋さんが数値を公正している」点に4000円の付加価値を見込んで。

 

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エンジンの仕組みはなんとなく理解してますが、素人が実際にバラすのはかなり勇気がいる行為ですよね…。

エンジンを降ろすのもはじめて。

 

と言っても、配線取っ払って、マフラーとマニホールド外して、チェーン外して、マウントのボルトを取って…だけなので、30分もあればエンジン自体は超簡単に降ります。

 

僕の場合はマウントのボルトが固着してましたが…。

 

あと、エンジンを降ろす際には2人作業をお勧めします。

エンジンマウントのボルトを外す人とエンジンを持つ人。

 

僕のようなぼっちはバイクジャッキで。

 

 

 

 

さてここからがお楽しみ。

虎の巻と睨めっこしながら、40年近く開けられてない(であろう)エンジンのご開帳です。

 

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初めてエンジンをバラすのでビビりまくり。

あとガスケットは固着しまくり。

カッターでゴリゴリ削って、ある程度で妥協してオイルストーンで磨きます。

 

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0.2mmぐらいの凹凸はあるだろうけど…まあ妥協。

 

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あれ。意外とシリンダーは綺麗だぞ…。

気になる縦キズもなし。

 

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ピストンリングの隙間は0.50mmが限界らしい。

シックネスで確認すると0.55mm。

白煙はこれが要因と信じたいところ…。

 

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出口側のシリンダーのオイルラインから漏れっぽいようなものが…。

気になり始めたらなんでもかんでも見ちゃいますよね。うーん。

 

 

触るたびに手が汚れるのも嫌なので、掃除します。

灯油で丸洗い。

 

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まわりはエンジンフォームクリーナーで綺麗にしてましたが、中身もすごい。

 

サビの塊?ガソリンのカス?もがっさり。

 

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新しいパーツたち。こだわりのオール純正。

 

ガスケット、oリング関係はすべて交換。

主役はピストンとピストンリングセット。あとピストンピン。

 

40年もののバイクでも純正部品が出てるのは素晴らしいですね。さすがカブ。

部品はホンダドリームに行ってパーツリストと睨めっこしながら購入。

 

燃焼室とシリンダーの間のメタルガスケットは謎のオイルライン?が追加されていました。

必要な部分は塞げてるのでこのまま使います。

 

ちなみに…今回はHA02 シャーシナンバー1706××××の個体。パーツリスト品番は90モデル、「CMH」品番での取り寄せとなります。

 

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あとはプラモデル…というよりもラジコンを組み立てる要領で組み立てます。

虎の巻大活躍。

 

 

 

ピストンのピンクリップがマジで硬い。

そんなときも虎の巻に入れ方が書いてあるのでとても役立ちます。

ピストンピンを入れてからは回しながら入れる方が良さげ。これだけはyoutubeで組んでる動画を見ながら真似しました。

 

 

 

虎の巻のすごいところは、各部品の締め付けトルクが書いてある点。

いちいち調べながらやろうか、と思ってたのですが超楽ちん。

 

 

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燃焼室は軽くペーパー掛け。どうせすぐカーボンだらけになるでしょうが…。

バルブクリアランスの調整はダルいので、擦り合わせ等も行わず燃焼室だけの清掃です。。。

 

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ある程度は綺麗にしましたがオイル漏れが心配。

 

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もとに戻します。バイクジャッキ優秀。

このあと、まずはテスト始動をしてみました。

ガソリン送って10回キックぐらいでエンジン始動。

自分の手で組んだエンジンが動くのは感動ですね。

 

しかし、すぐにエンジンから白煙が上がりました。

観察するためにそのまま動かしてましたが、どうもOリングのフチやボルトの銅ワッシャなど、全体的に濡れています。

ある程度確認してからもう一度ボルト関係を指定トルク+1.5Nで増し締め。

で、もう一度始動確認したらエンジンからの白煙は治りました。

 

オイルだらけの手で組んだから、シリンダーに付着した油が燃えたのと、Oリングは油を塗りながら取り付けたので、その表面についたオイルが燃えた…と信じます。結果オーライって事で。

オイルラインは…詰まってないよな?

 

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3速30km/hから5分ごとに5km/hずつ上げて、やわkm/hまで1時間ぐらいで慣らし。

問題なし!

 

変わった点、まず白煙は吐かなくなったのは前提として…。

 

・大幅なトルク向上

・カムチェーンガイドローラー交換による静粛性の向上

・キャブセッティングのボヤけがなくなりしっかりしたセットが出る

・エンジン始動性向上(キック一発)

 

つまり、新車コンディションに戻りましたね。

最近クラッチも変えた事だし、このまま5万km、累計10万kmまでは行ける!たぶん。

 

 

 

人生初のエンジン分解、しかも誰にも教えてもらわず進めましたが、案外いけるもんです。

エンジンの仕組みもより理解できたし、新しいことを学ぶのは楽しいです。

 

だからこそ言います。

 

二度とやりたくない…。めんどくさい…。