備忘録④

日々の趣味の備忘録。

夢のレーシングカーのタイヤを手に入れた 前編

が、現実は厳しかった。

 

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カーレースが好きならば、イベントやサーキットに行った事があるでしょう。

そして、ある程度規模の大きなレースや、車のイベントなら、特殊なクルマの部品が手に入るチャンスがあるでしょう。

たとえば、あるレーシングカーのウィング。あるレーシングカーのフェンダー、あるレーシングカーのホイール…などなど。

 

案外1万円前後や、下手すりゃクラッシュした車の部品なんてタダで手に入るもんだから

 

「うおおおお手に入れちゃおうかなあぁぁぁぁ????」

 

とか思ってしまいます。

そしてそんな考えが過ぎった1秒後に、必ず思い浮かぶ事。

 

「いや、こんな物手に入れても使い道どうすんだよ…」

 

そうしてオタクは物欲に対してブレーキをかけるわけです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

話は変わり、ここからは僕の話。

 

いろんな事情…というか、ひょんな事より幸運(?)にも謎のレーシングカーのタイヤを手に入れました。

ある人が持っていることは大昔から知っていましたが、その方がついに手放すと言う話を聞き喜んで「僕が貰います!」と言った次第。

 

以下、その人からLINEで実物の写真を送ってもらった写真

 

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写真からわかる情報と、他の情報としては、

ブリヂストンタイヤ

・メッシュ2ピース、センターロック

・サイズは355/680-16(!)

・保管年数不明 少なくともその人と付き合いがある14年前から置いてある

・保管状況は縦(転がる状態)置き タイヤの変形あり

 

正真正銘のレーシングカーのタイヤである事は確かです。

 

このタイヤが使われたマシンも気になるところところですが、純粋にオブジェとしてもカッコいいです。

タイヤサイズ355/680-16て。ミゼットのタイヤ(145/95/10)の2.5倍の幅て。2ピースて。センターロックて。

アツいですね〜。

 

話はトントン拍子で進み、さっそく引き取りました。

 

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他の用事でシルビアのタイヤも積んでますが…。

ミゼットに正気の沙汰じゃ無い太さのタイヤを積んでるあたりがイイな。

 

さて。これからこんな物を手に入れたはいいがどうしたものか………。

 

 

 

 

 

 

・兎にも角にも、まずは綺麗に

持ち帰ってから翌日。この日は晴れていたので、まずは綺麗にする事に。

使い道どうこうよりも、触って手が汚れるのは困り物です。

これがタイヤカスとかなら付加価値としてつきそうでイイんですが、蜘蛛の巣や滲み出た油なので「不快な価値」です。なんちて。

 

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タイヤの表面はタイヤから出た油の茶色の汚れがびっしりついています。

これを落とさない事には話は始まりません。

見た目にもイマイチだし。

 

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シリコンオフとか使えば一発で油分が落ちるのはわかるんですが、タイヤに何やら文字が書いてあり落とすのは何となく惜しいので、お湯と太陽熱で温めながら余分な油分のみ落とします。

時間はかかりますが丁寧な作業が必要です。

 

本当はもっとラクをしたいのですが、これには意味があり…。

 

 

 

 

 

・お前は、誰だ?

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このように丁寧に作業を行なっている理由として、引き取ってから家に帰った際にタイヤをよく見ると何やら文字が残っているのを見つけたのです。

 

書いてある字は、「LEYTON HOUSE RL」

 

LEYTON HOUSEといえば、80年代〜90年代にF1やGTカーレースのスポンサーのアパレルブランドです。

あのエメラルドグリーンの車体はとても目立ちました。

 

そしてこのホイール。フォーミュラカーのようなオフセットではないし、80年代当時のツーリングカーにしては太すぎる。

となると、Cカーあたりが怪しいです。

ただ、90年代のCカーはエアロディスクがついていますが、このホイールはそんな付加物が付く様子は無いです。

 

このタイヤをもらった場所は、とある大きなサーキットがある町。

80年代、エアロディスク無しのCカー、LEYTON HOUSE。

 

…まあタイヤサプライヤー然り、ここまでヒントを出せばあとはこれをご覧になって頂いている機械で調べることが出来ると思うので、ここまでにしておきます。

ちなみに有名なロードカーもあるマシンでした。

 

大体の検討がつき、スッキリ。

車両が特定できれば、尚更このオブジ…タイヤがカッコよく思えてくるもんだから不思議です。

これが付加価値という意味ですね。

 

 

 

・丁寧に、かつ豪快に

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もともと、このタイヤの持ち主はモータースポーツとは深い深い関わりがある方ではあるんですが、このような古いレーシングカーにはあまり興味の無い方でした。

そのためなのか、メッシュの裏は蜘蛛の巣の集合住宅と化していました。

そいつを一つ一つ割り箸で破壊し、埃も落とします。

 

不思議なことにブレーキダストは出てきませんでした。

タイヤも新品なのでおそらくレース前にセットしていたものの使わずにシーズンを終えたのか、やたらとステンシルが綺麗だから展示用タイヤだったのか…真相は謎です。

 

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大きめのウエスを絞りながらお湯をかけて拭いて、これは絞った汁。

こんなに汚れてりゃあ触るたびに手がウ◯チ色になるのも納得です。

 

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今度はホイールです。

トラック運転手御用達の青棒を使用しました。アルミホイールだから変わらんでしょう。

左は研磨・KUREラバープロテクト処理後、右は何もしてない状態。

これは僕の価値観ですが、あんまり綺麗にしすぎるのも良くないので適度にボロさを残してます。

 

これをホイール全面研磨してお掃除・レストア完了です。

 

 

 

 

・使い道はどうするの?

ここが皆さん一番の疑問でしょう。

一般的な使い道なら、

・タイヤ屋さんのオブジェ

・タイヤテーブル

ぐらいしかないんじゃないでしょうか。

ミゼットに積みっぱなしにして意気がることも考えましたが、劣化が激しそうなので却下。

タイヤ屋さんでもないしお客さんもあんまり来ないので、オブジェとしても却下。

消去法でテーブルにしましょう。

 

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冒頭でお話しした通り、一度は夢見たレーシングカーのパーツの家具がいよいよ見えてきました。

…とは言うものの、一体テーブルの天板ってどこで買うんだ?

 

さすがに僕も色々な趣味を嗜んだ結果、無闇に物を買う・貰うことは控えるようにはなってきたので、貰う意思表明をする前には軽く調べ、

「なんや通販で普通にテーブル天板売ってるやん!何とでもなるやろ!」

と、(この時点でテーブルにすることは確定)考えた上で貰うことを決めましたが、

 

ここで冷静になってみましょう。

 

 

 

まずテーブルとは。

テーブル (家具) - 作業や食事、ゲームをするための台。ダイニングテーブルなど。 -wikipediaより

台。

16インチタイヤの台。すなわちφ620mmの台です。

それなら5〜10kgぐらいの重量には耐えて欲しいところ。

でも、模様替えを良くするのでできればガラスじゃなくて軽い素材がいい。

あと安い方がいい。

それで傷に対して丈夫なのがいい。

 

テーブルってどんな要素が必要なの?と考えてみるとこんなところでしょうか。

 

今の時代、便利なことにt=何mm、φ=何mm、材料は何々って言えばオーダーメイドで作ってくれる通販サイトがあるわけで。

さらには円盤・板のたわみ量の計算まで出来るサイトもあるわけで…。

 

そこでいろいろ調べて、作る材料として選定したのは、

 

・t=6.5 アクリル

・t=6.5 ポリカーボネート

・t=5.0 ガラス

・t=5.0 強化ガラス

 

この三つである業者に見積もりをとりました。

ざっくりとした見積もり価格は…。

 

・アクリル・・・8000円

ポリカーボネート・・・17000円

・ガラス・・・10000円

・強化ガラス・・・12000円

 

アクリルが最も安いですが、使い方次第では傷つきまくるからやめた方がいいよ…との業者のアドバイス。そうですよね………。

 

本当は軽量なポリカーボネートで作りたいのが本心ですが、アクリルよりも強いとは言えやはり傷が気になるところ。

 

ガラスも傷に対しては強化ガラスの方がいいということで、値段と自身の要求を秤にかけ、やや自身の要求を優先して強化ガラスにしました。

 

 

 

 

完全オーダーメイドで作ってもらうので、納期はしばらくかかります(およそ2〜3週間)が、それまでは

 

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撮影台にしたり、

 

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置く予定の積み漫画を側において妄想を広げましょう。ベッドの高さとちょうどいいんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一つ、これは実際に手に入れてみないとわからないな、という点を書き忘れていた。

 

自身、ちゃんと管理したいレーシングカートのタイヤの保管場所に困って部屋に持ち込んだこともあるんですが、やはりタイヤの匂いってキツいですよね。

 

ただそこは40年もののタイヤ。油が抜け切って部屋に入れて5日ほど経っても全くタイヤの臭いがしません。

 

タイヤテーブルにするなら古いタイヤがオススメですよ。