備忘録④

日々の趣味の備忘録。

PROJECT[T]横型エンジン搭載編 ①載せてみる

ここから本編↓

 

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TIAで遊び倒すこのシリーズ。

一番最初に決めたコンセプトを覚えていますでしょうか?

「ショートコース特化のランニングコスト激安なホビー車両。」

僕は忘れていました。備忘録を見返して思い出しました。備忘録だいじ。

 

あくまで、ホビー車両がコンセプト。

でも「レーシング」カートである故に、速く走ることに拘りすぎてしまいました。

SS仕様でこれ以上を突き詰めていくと、エンジンに手を出さざるを得ないのですが…KTについて色々語りだすとややこしいので、詳しいことは置いておいて…。

 

もっとこう、ランニングコストが安くて、楽しく乗れて、争わず…

カートを楽しむ時はね…誰にも邪魔されず…自由で…何というか…救われてなきゃあダメなんだ…。

 

…ん?

 

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そう思ってカートをメンテしながら、目の前のモンキーを見て思ったのです。

 

中華横型エンジンならランニングコストも安くて楽しいミッションカートが作れるのでは?!

 

ミッションカート。

カートを乗ってる人なら誰しも一度は憧れると思います。多分。知らんけど。

 

でも、今のミッションカートのクラスはクラッチ摩耗しまくるし…タイヤ高いし…昔流行ってたのはいろいろ部品消耗しまくるし…。というか、コストが…

 

そこでモンキー用の横型エンジンです。

中華の125ccのエンジンなら3万円台で買えちゃう。

レーシングカートのエンジンの値段を考慮すると破格ですよね。

空冷だから水回りのトラブルや部品の複雑さとも無縁。

しかも豊富すぎるアフターマーケット市場。イジる楽しみも無限大。

 

でも、ミッションカートではないTIAと、そもそもカートに載せる設計じゃない横型エンジン。

この2つが相見え合体することなど可能なのか?

 

 

 

結論から言いましょう。

可能です。制作費は約8万円。

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カート+横型エンジンのパッケージングは、過去にこの仕様で30万円前後で売っていたカートもありましたね。あのマシンは90cc遠心クラッチでしたが…。

 

もっとこう、適度にレーシングな感じのを求めています。

「そうそう!これこれ!」ってなるようなマシンも検索していると出てきますが、ビルダー自身が詳細に製作記を残している記事は見つからない。

 

そこで、物価上昇に喘ぐカート界でこの謎カテゴリーを日本で盛り上げるべく、

詳細にこのマシンの製作記を綴っていこうと思います。

 

○まず根本的に載るのか?

 

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カブとモンキーをいじり倒してたときに余った部品から寸法どり。

中華横型エンジンの特性(?)として、腰下がとてもゴツいのが問題となります。

なので、

・マウント位置からのスプロケットの位相

・シート位置

・前後方向のエンジン取り付け位置(チェーンストッパーとの相関)

この全てが、5mmズレると成立しません。

TIAの場合は全てがギリギリです。

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そのため、パイプで無理やりフレーム側のシート取り付けステーを曲げました。たぶん20mmは曲げた。

これでギリギリ乗ります。

 

ある程度行けるな、と目処がたったころにエンジン購入。

 

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今回購入したのは、125cc二次クラッチセル付き仕様。

それとPD26キャブレター。

これで合計4万円ぐらい。


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早速マウント製作します。正確な寸法を取る設備は無いので、段ボールで型をとって、この形にプラズマ溶断します。

なお、取り付けには下側のハンガー用マウントとステップ用マウントを使用します。

 

…定盤とハイトゲージ、欲しいなぁ…。

 

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で、サクッと作って…

ここで、カブ・モンキー系で車高を弄り回してる人なら気付く問題があります。

 

シリンダー…水平じゃね……?

 

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こちらは、かつてブロックタイヤ履かせて車高を上げた我がカブ。このときでも若干シリンダーが水平です。

このときはフロントサス周りは何もしてませんが、リアサスペンションにリフトアップアダプタをつけるとオーバーヒートしてしまい、即外した経緯があります。

 

説明しましょう。

もともと横型エンジンのシリンダーは完全に水平に設計されていました。

しかし、これがエンジン内にあるオイルポンプのパワー不足でオイルが戻って来れなくなり、オイル上がりが発生する。そのため10度程度傾ける設計に変更した。

って某知恵袋に書いていました。信じるか信じないかはあなた次第

 

とにかく、横型エンジンは10度程度シリンダーを傾けないといけないというルールが存在するのです。

 

カートはその逆。

熱を持つ2ストエンジンのヘッドを冷やしたいがために、空冷エンジンのマウントは基本的に逆方向に角度がついています。

…載せることに必死で、このことを忘れていました。

 

そこで…

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水冷エンジン用のマウントに変更しました。

水冷エンジンは、水平にマウントするようになっているので、このマウントじゃなくても良いかも。

使用したのは、ROTAX MAX DD2用の社外マウント。7000円ぐらい。もっと安いのないのか………。

 

こちら、分割式になっていて非常に制作が楽になります。詳しくは画像検索してみて。

これに関して、カート界隈の超情報通の方から情報を頂きました。この場を借りて感謝いたします。

細かく寸法出ししてなんだかんだ載りました。

 

 

⚪︎イケるじゃん!いろいろ部品つけたら完成では?!

 

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そう思っていた時期が僕にもありました。

 

 

エンジンが載ってクリアランス関係も解決すればこちらのもの。

TIA(通常のカートのシャーシ)に載せる上で、あと必要なのは、

・マフラー(カート用に加工が必要)

クラッチレバー

・シフトレバーとリンク

クラッチケーブルとスロットルケーブル

スプロケット

・ハーネス

 

です。

 

まずはマフラーから。

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え、マフラーから?

そう。モチベーション一番上がるでしょ?

それに熱を持つ部品なので、これの位置を決めてからいろいろ熱を持つとマズい部品を逃す算段です。

 

マフラーは、アップマフラーが必要です。でないとシャフトとカウルにぶち当たる。

そこでダックス用のアップマフラーを取り付けます。

この時点では実は無加工のポン付け。

本当はモンキー用の純正ルックのスポーツマフラーが丁度いいと思うんですが、サイレンサーはデカいほうがタダモノじゃ無い感があって良く無いですか?知らんけど。

あと、ブランド物のマフラーも憧れはありますが、予算の都合で諦め。

もう一つ、鉄製のマフラーが欲しかった。ステンレスは焼き色も良いし錆びないし良いんだけど、溶接がめんどくさい…。

 

これを、本来チャンバーを取り付けるステーを逆側にして取り付けてみます。これに関しては大した加工はしてません。

ちょっと気になるのは、やはりバイク用なのでパイプが長い。

なので、

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途中で切って繋げました。ショート加工。

実は長いまま(未加工のダックス仕様)の状態でも走ったのですが、長すぎるが故の負荷がフランジに強くかかって、フランジ側のボルトがすぐ緩む症状が出ました。

音なんて2ストのカートより圧倒的に静かなんだから、短くして爆音でナンボです。


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パイプの溶接は難しい。端材で練習してから挑みましたがやはり真っ直ぐ巻けない。バンテージ巻いて誤魔化し…。

燃料類も近くにいるので、遮熱は無意味ではないはず。

 

 

 

次にクラッチとかギアの操作系と駆動系諸々。

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クラッチレバーは、汎用のクラッチレバーを使用。

スプロケットはBirelartのレンタルカート、N35用スプロケット(φ40用、428の26丁)。

この時点で、428チェーンにすることは確定です。

そのためフロントはグロム用の428ドライブ…なのですが、

 

4miniは基本10インチ〜17インチのタイヤ。カートは5インチ。タイヤの外径からして、ギア比はどう考えても合うわけがないので、できるだけハイギアにしなければいけません。

そのため、キタコから出ている一番大きいギア、16丁の428ドライブを取り付けています。

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こちらで一度テスト走行しましたが、KTでのギア比9.0のコースでちょうどよく、それ以上のコースだとエンジンが回りきります。

このエンジンの美味しいところは6000〜8000ぐらい。(多分)

なのでもっとローギア化が必要です。

そこで中国の通販から428の18丁を取り寄せて取り付け。

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この仕様特有の問題として、車体側のスプロケットがエンジンよりかなり低い位置かつ短い距離で繋がなければいけないので、通常のバイクに取り付ける際よりもかなり下向きにチェーンが出てきます。

そのため、大きなスプロケットを取り付けると本来バイク用のカバーを取り付けるネジ穴の部分がかなり強く干渉します。

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そのため、下の部分をグラインダで削り落としています。

ニュートラルスイッチも怪しいですが、僕は使ってないので潰れてもまあしゃーないと思ってます。

削るのはオイル漏れが怖いですが、腰下のブロックとツラが出るぐらいまで削っても問題なしでした。

18丁を取り付けて走ってみた結果として、KTのギア比8.2のコースでちょっと伸びたりないぐらいの感覚。でもエンジンの美味しいところは活かせている感じです。

感覚的にはギア比7.3ぐらいのコースでも行けそう。

そのため、18丁を取り付けることをお勧めします

 

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シフトは、廃車予定のミッションカートの部品を追い剥ぎ。根本のカラー?的なやつ?ボルト通すやつ?ごと追い剥ぎしてサクッと溶接。

 

ミッションカート化は意外と簡単です。

 

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チェーンも簡単。長めのリンクのチェーンを買ってチェーンカッターでいい感じに切って繋ぐだけ。ちなみに50Lあれば充分でした。無駄に110Lを買ってスペアのチェーンができるぐらい。

 

駆動系と、個々の部品の準備はOK。ここからの問題は、他の「カートの部品」と「バイクの部品」をどう繋ぐか。

 

ミッションのリンクは、カートのタイロッドをそのまま使用しました。

しかし、エンジン側のレバーは?

 

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余っていたバイク用シフトレバーをグラインダーでぶった斬って、余っていたボルトとかなんかいい感じに繋げてみる。

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で、シフトの入れやすさを考慮してできるだけリーチを長くしたらシャーシから飛び出たので作り直し。この辺はちゃんと寸法取って作りましょう。

 

これでシフトはOK。

次はクラッチとスロットルケーブルです。

 

バイクは、エンジン〜ハンドル周りまで0.8mもありません。

しかし、カートは1.2m程度は必要。

バイク用(できるだけ長くしたいので、中国ホンダのCBF125T用のケーブルで試した)のクラッチケーブルとかを試しましたが、長さが全然足りない!!

なんとか繋げれる術はないのか?

いろいろ過去に触ってきた乗り物の部品を舐め回すように観察してみます。

 

すると最高の部品に出会いました。

 

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ロードバイクとマウンテンバイク用のブレーキ・シフトケーブルです。

 

自転車は、ハンドルからリア回りまでの距離が長いので、超長いケーブルなのです。

強度もあるし先端の形状もバッチリ合う。

マウンテンバイクのシフトケーブルはスロットル用、ロードバイクのブレーキケーブルはクラッチ用で使用します。

また、アウターのアジャスターはバイク用と自転車用のハイブリッドで。

 

 

さて、残るはハーネスです。

 

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最初は線とカプラー集めてハーネス作るぞ〜〜と息巻いていたのです。

 

ただ、この大陸製のエンジンとCDI、そしてジェネレータは配線図の色と実際の線の色が全く違うのです。

僕の場合は、手元に中華モンキーがあるので、それの配線からリバースエンジニアリングしました。

ちなみにこのロンシン 125ccエンジンのコネクタの解析結果は…

・赤/白 →パルスジェネレーター

・白 →コイル

・黄 →コイル

・黒 →アース

・水赤 →ニュートラルランプ→CDI

・黄赤 →エキサイタコイル

このような感じ。部品の配線図からこの線はこう、あの線はこうと阿弥陀籤を引くような作業が必要な上に、かなりのカプラーを準備しなければいけません。

 

そのためいろいろ悩んだ挙句、このエンジンを買った通販から大陸製のハーネスキットを買うことにしました。

 

ハーネスキットさえ買えば繋ぐだけの簡単作業。

予算をケチろうと思えば、差額2000円ぐらいでハーネス自作もできると思いますが、

結線作業とか、線の色などをいろいろ考える手間を考えれば、バイクのハーネスをポンと付けたほうが圧倒的にラクです。

ちなみに長さはバイク用で十分足ります。

 

これで、最低限エンジン始動に必要なものは揃いました。

 

 

⚪︎いろいろ部品繋がった!エンジンかけるぞ!!

 

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次の敵は、地球の重力。

 

いざ、エンジンを掛けてみましょう。

カート用のバッテリーホルダーにカート用のバッテリーをそのまま繋いで、セル始動!!(事前に火花は確認)

 

キュルキュルキュルキュルキュルキュルキュルキュルキュルキュルキュルキュル…………(セルの音)

 

1分近くセルを回してもエンジンはかかりません。

 

モーターがイカれるので、一旦中止。

見ると、キャブレターまでガソリンが来ていません。

…………想像はしていました。

 

 

バイクであれば、エンジンの上にガソリンタンクがあるので、ガソリンはキャブレターまで自重で落ちていきます。

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しかし、カートはタンクが人間の足の真ん中にきます。というか、タンクとキャブの位置はキャブの方が高い。

なので重力に引っ張られてガソリンを吸いません。

そのため、燃料ポンプが必要です。

 

横型エンジンに燃ポンをつけるにはどうすればいいか?

いろいろ悩みましたが、どうやらスクーター用の燃料ポンプをエキマニから負圧を取ってポンプを動かす方法が定番のよう。

これに倣ってポンプを取り付けます。

※こちらのブログを参考にさせて頂きました。

詳しくはこちら【中華DAX】負圧式の燃料ポンプを追加して、ガソリンがキャブに安定供給されるようにする | 湯あたりキットバイク

 

ポンプをつけて…

もう一度セルを回す…………

 

ポンプ〜キャブのフロートに至るまでのガソリン量はそれなりに必要なので、クランキングは必要。

 

30秒ほどセルを回すと…エンジンがかかった!!!

 

いろいろ操作を確認して問題なくクラッチ、ギア操作ができることを確認したら、いざサーキットでテスト走行!!!

 

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⚪︎結局人間が乗るとなるとどんな感じなの?

 

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走行フィールや、走った後に出てきた問題点を挙げる前に、実際に組んでみないとわからないことがあります。

 

それは、人間が乗ると人間の干渉する部分はどんな感じなのか?ということ。

ここまで、ひたすらにエンジンを載せて動かすことだけを考えていました。

…人間が乗ることを考えずに。

載せるためならシートをひたすらに左に寄せたぐらい。

 

結果としては、まずシートとハンドルの位置は意外にもほとんど気になりません。

もともとカートは左寄りですしね。

 

干渉は?

ヘッドが太ももに来ます。腕の近くにキャブがきます。でも、運転には支障はありません。

 

なので、何も考えずにひたすらはエンジンを載せることに集中すれば良いでしょう。

 

 

⚪︎根本的な構造上どうしようもない問題点は?

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すでに数回、テスト走行は重ねていますが、問題点?としては、

フライホイールカバーがシートと当たってるぐらい近いので、エンジンが熱を持ち出すと腰に熱が来て熱い(熱い)。

・ハンドルにボロボロのグリップテープを巻いていたが、剥がれてきた時にキャブが近すぎてグリップテープを吸い込んでストールした

・エキマニから負圧をとっているので、エアの量が足らずエアフィルターをつけていたのをファンネルに変更した

・普通のカートと違って、エンジンの上側には部品がないので、エンジンに肘が当たらなくて快適

 

ドライバー的なそういう意味での致命的な問題はほぼありません。

シートの熱問題は…エンジンの大きさから仕方ないと思っています。

セルなし仕様ならもう少しスマートになると思うのですが、作ってみて思ったのはキック始動はかなり無理があること。かといって、4ストの押し掛けはかなり辛いものがあると思います。

そもそものコンセプトとして、普通のカートよりももっと気軽に遊べる楽しい乗り物を作ることがコンセプトなので、セルは外したくない…。

ストイックな方はセルなしでも良いかも。

 

あとこれはエンジンの問題ではあるのですが、クラッチがやたらと重たい。

さらにバイクのクラッチレバーよりもリーチが短いので、クラッチ操作にはそれなりの握力が必要。

これ、カムのグリスアップとかワイヤー取り回しの見直しとかしても改善しないんですよね…もう諦め気味…。

 

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それと、眉唾物ですが足のせいでヘッドに風が当たらないと見込んで、ダクトを装着してます。効果は知りません。

 

 

 

以上。ひとまずは完成しました。

今回はあくまで制作編として、走行したあとの改善も含めて記しました。

 

 

 

 

次回!

実は30kg近くあるエンジンによるリアヘビーな動き!

100cc2ストには敵わないパワーの伸び!

2ストでは味わえないクソデカトルク!

弾ける中華電装!

真夏の中華エンジン、加熱したエンジンオイルは遂に危険な領域へと突入する…!

 

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走行インプレッション編へと続きます。

PROJECT「T」レースでの戦い編

ついに、この時が来た!!!!!

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久しぶりの更新です。主にこのTIAを愛でまくってて忙しかったわけです。

 

 

このPROJECT「T」シリーズ。前回の最後に走らせ方とセッティングについて軽く触れましたが…。

ようやく理解をしたので、まさに「備忘録」として書きたくなった次第。

 

2年間、かなり真剣にTIAと向き合ってきました。

時には、MAXを積んだり…

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時には、未知のタイヤを履かせてもらったり…

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いろんなコースで、いろんな経験をして、いろんな実績を積みました。

そしてついにそれが報われ、あるレースで普通のレーシングカート相手に「勝てる」ことができました。

 

今回はそんなTIAの走らせ方とセッティング、モディファイの内容をご紹介。

 

まず、結論としては…

「周りの空気に流されず、TIAの良いところを理解し、そこを最大限に活かして、レースをしない」ことが最重要であることがわかりました。

 

 

詳しく見ていきましょう。

 

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走り方の前に…マシンモディファイの最終形態について。

前回にフロアパネル2枚作戦を決行したのですが、まだ足りない。

というか、フロアが強くなって今度はシャーシ側のボルトが1セッション走ってすぐ緩むようになってしまいました。

 

そこで、とあるカートを参考にフロアをサイド側4点留めとするように、同じ板厚のステーを増設しました。

これがかなり効く。

 

剛性自体はそんなに変わりません。でも10周ほど走った後の緩みが全くない。

つまり、走行中に緩んでシャーシがダレる(とはちょっと違いますが‥)感覚がなくなります。

ということは…継続してメカニカルグリップを獲得できます。

このステー増しの狙いはこれなのです。

CIK?SL?知らんな…

 

 

 

 

ここから本題です。走り方について。

ここでは、和歌山県のカートコース「きのくにカートランド」と、三重県のカートコース「カートランド三重」を参考とします。

 

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大前提として、ショートホイールベースのシャーシぐにゃぐにゃ…つまりTIAはショートコースにはバッチリ合うシャーシです。

しかし、これが高速コーナーでは牙を剥いてくる。

 

跳ねまくるφ40シャフト!

曲げる前に動ききるφ17ナックル!

荒ぶるショートホイールベース

青空を見上げる車体!

空回るエンジン!

 

めちゃくちゃスリル(オブラートに包んだ表現)溢れるマシンになります。

正直、これはもう身体でシャーシを押さえつける以外の術は思いつきません。

パワーは全てを解決する。

 

これをいかに克服するかは………僕はわかりません。

 

なので、僕はシャーシの動きに身を任せてハンドルを切らずに体を押さえつけるのみにしています…。

 

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ではいいところを活かすには?

それは、コースをショートカットすることです。

 

半分嘘です。

 

正しい表現としては、小回りが効くことを最大限に活かして、イマドキのカートのようなボトムスピードをキープする走り方をしない、ということ。

 

TIAは、低速コーナーだと自分の思ってる1.2倍ぐらいは曲がってくれます。

なので、遅いかな?と思ってもコースを小さく走ってタイムを削るという、今時のカートの乗り方とは真逆の乗り方をしなければいけません。

 

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こういうことができるコーナーをひたすら探す作業をまずしましょう。

 

そしてとにかくショートカットをします。

たとえ、カートが削れようとも。

てか削れても、そのへんからいらない部品が激安で湧いてくるので、遠慮なくガシガシ攻めれるので関係ないか。

 

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これがTIAでタイムを削る唯一の術なのです。

 

 

 

ではレースは?

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TIAでレースをするのはかなり難しいです。

やはり、今時のカートとは根本から走り方が違いすぎる、

つまり速いところと遅いところが違いすぎる。

すると…バトルした同士お互い不幸になるのだ!!

 

なので勝つためには「レース」をしてはいけません。

あくまでぶっちぎり優勝に拘ること。

もしくは、とっとと無理やりトップに躍り出て蓋しまくるか。

 

これ以外、TIAで普通のレーシングカートを打ち負かすのは難しいと思います。

 

 

 

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書いてみるとあっさりですが、ここに行き着くまでにとても悩みました。

しかし、一旦今のカートの常識を忘れて好きなように色んなことができる。

それでいて車体は5万円を切るという、

TIAは本当に楽しいカートです。

なによりTIAでSSセットにして、オープンシャーシに下剋上したときの快感たるや(暗黒微笑)

 

突き詰めるといくらでもイジる幅はあるし、改善の余地もたくさんあります。

 

でも、魔改造しすぎて「これはもはやオープンシャーシでは…?」となってしまっては、下剋上もクソもありません。

 

 

 

なので、TIAのほぼノーマル状態で下剋上としてレースで勝てた今。

これをもってPROJECT「T」に終止符を打とうと思います。

 

 

 

 

 

ありがとう、TIA。最高のシャーシだった。

これからはスローライフを楽しんでくれ…

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ミゼット2のスピードケーブル交換@75782km

走行距離改ざん車。

 

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売る気はないから関係ない。

 

 

 

ある日。仕事でミゼット2で走ってる時にスピードメーターの針がストンと落ちました。

ああ…ワイヤー切れたな…と。

いや…こいつ96年式なのにメーターはワイヤー式なのか?

と。

 

調べてみると、90年代前半の軽自動車はワイヤー式みたいですね〜。

針がピクピクしないで急に落ちたなら理由は単純明快。ウォームギアは大丈夫。

ということで、ミゼット2のスピードメーターケーブルを交換します。

 

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部品番号は83710-87801-000。

 

ちなみに僕のミゼットはS100系ハイゼット5速ミッション載せ替えなんですが、

ミゼット2の品番で出てくる83710-87801-000をポン付けできました。

 

まずは取り回しの確認。

ペラシャ側についてるので、EF-VEもEF-CKも、ピックもカーゴも関係無し。

 

ワイヤー交換なんて簡単です。

が。

取り回しは超めんどくさい。

 

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まずメーター側。プレスの絞り形状が見えるので、そこから辿ります。クラッチケーブルとの間違いに注意。

 

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こんどはフード側から。

アクセサリー系のハーネスと一緒にタイラップ固定されてますが、これが作業性最悪。

ミッション周りも触りたいので、素直にジャッキアップしましょ。

 

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容疑者確保。

通勤路が70km/h巡航を1時間ぐらいしたりするから

25年前の軽自動車には辛かったかなぁ。

ちゃんとアウターとインナーの間にオイルでベトベトにします。

 

 

留め具がついてるので、外して元に戻します。

 

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切れたワイヤーと新品のワイヤー。

クリップは剥ぎ取りましょう。クリップ位置に赤でマーキングしてくれてるので超親切。

 

ケーブルはメーターもミッションも刺さってるだけ。パワープレイで引っこ抜いて位相見て差し込むだけ。

 

 

 

 

 

以上で修理できました!!

 

つっても、「当たり前」に戻っただけですが。

 

なぜ75000km程度でケーブルが切れたのかは謎です。

ミッション載せ替えの影響なのか、(と言っても純正の取り回しは知りませんが)、やや無理のある取り回しなので、そこで力かかるのかな?

 

まあ、次は150000kmぐらいまで大丈夫でしょう。

 

【練習するしか】アストロプロダクツの溶接機を買った。【100v】

200v電源欲しい…

 

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たぶんみんカラで○ぬほどレビューが出ている、アストロプロダクツの100vインバータ付き半自動溶接機を購入しました。

 

機械弄りマニアならいつかは欲しい溶接機。

でもノンガス100vって実際どうなん?っていう疑問はあるはず。

実際、僕も半信半疑でこの溶接機を買いました。

 

8時間近く使ってみた結論としては、

やはり100vでは弱いが、t=4.0以内なら母材も溶け込んで十分に使える!

という結論に至りました。

買ってよかったof the year2021受賞。もう2022年だけど。

 

 

 

 

購入に至るまで

今の時代、Youtubeやブログやなんやらかんやらと、良い物(?)の情報を手に入れるのは容易。

ただその情報が溢れすぎてるのも事実。

つまり、選択肢がたくさんあります。

 

ある事情で急いで溶接機が必要になって、真剣に100vの溶接機を調べていましたが…。

インバータ付きでまともに使えそうな溶接機の候補は数個見つけました。

 

ただ…。

 

いくら調べても耐久性についても何もブログ等はなし、チップ・トーチの互換性も謎。

長く使うのであれば、10年前から購入情報が溢れているアストロプロダクツ製がベスト。

かつ、個人的なアレですが誕生日月のクーポンもあるので安い。

以上の理由よりアストロプロダクツ製を購入しました。

まあそもそも100vの時点で…って思ってるので、どうせ何を買っても大差はないと思ってます。

知らんけど…。

 

 

内容物

 

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溶接機本体のほかに、予備チップ2個、溶接面(超チープ…でも全然使える)、テスト用ワイヤーが付属。

これでアンダー3万円はなかなかだと思います。

アースつきの3口プラグなので、2口の変換プラグと革手袋は別途必要です。

溶接面がついてくるのはなかなか素敵。安っぽいですが、上等です。

自動遮光面欲しい…

 

 

 

物の言い訳をする前に練習あるのみ

 

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偉そうに200v欲しいって言ってますが、まずは使ってみないことにはわかりません。

自身は仕事でたまに溶接をしてるので、腕にはある程度の自信はあります。

1〜2時間ほどその辺に転がってた鉄板で練習して気づいた点を挙げると、

・インバータ付きとはいえ多少電流がバラつく。

 十分に母材を溶かすパワーはあるが、ビードを作ってる最中に電流がばらつくため、綺麗にできたであろうビードが乱れるのはちょっと…なぁ。

・とはいえ、最大出力で使ってもブレーカーが落ちることはなし。

・完璧に溶接しようと思うとパワー不足は拭えない。溶け込みは不明だが、母材板厚t=5、ビード幅・脚長は5〜6mmぐらいの太さが限界か?

 

ってぐらい。

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練習すればそれなりに普通のビードをつくることは可能です。

 

あとこれは根本的にノンガスを否定する問題なんですが…。

やはりスパッタがひどい。ガス持ってくるのめんどくせ…って思ってノンガスタイプしか購入視野になかったのです。

ただ…ワイヤーブラシで落とせるレベルのスパッタじゃない。かなりしつこいスパッタが付きます。

ガスタイプに慣れてる人はかなりがっかりするかも。

どうしても気になる人はインパクトドライバーにつけるワイヤーブラシを買いましょう。

 

 

で、実際溶接したパーツの強度は?

 

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ぼくが溶接機が必要となった理由は、レースを控えているレーシングカートの車両が、レース1週間前にフレーム折れてしまったため。

 

3時間ぐらい練習した後、ガッツリビード盛りまくりで溶接しました。

その後、レースも含め10回近くは走ってますが再度破断することはなく、むしろ1箇所しっかりついたぶん他の部分の弱さが出てくるように…

 

まあ、その話は別として。

溶接機としてはバッチリ使い物になります。

 

ビードの見た目に拘らないなら、

いろんな部品製作の幅が広がるし、むしろやりづらい条件で綺麗にビードが作れるようになるとメッチャ気持ちいいので、

アストロ100v溶接機、オススメです。

中華モンキーカイゼン記 1話 納車整備編

唸れロンシン89cc!弾けろ中華電装!

 

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新たに中華モンキーを買いました。

まあ、見た目でわかる人には「あぁ、あの4miniのmotorcycle専門のお店のアレね」ってなると思いますが…。

 

僕はガチャガチャしたチンドン屋仕様よりも、ノスタルジックなフルノーマル風モンゴリが好み。

 

中華モンキーというと、ステダン・オイルクーラー・ロンスイ・10インチは当たり前という俗に言う「フルカスタム仕様」がイメージとしてありますが…。

 

僕のような懐古趣味にも応じた中華モンキーがあるのです。

 

それがこのZ50A風の中華リジッドモンキー。

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ルノーマル風な見た目がなかなかイケてるでしょ?

これで10万円。

 

本物に乗ってる人からは文句を言われそうなステッカーとかエンブレムを既に貼ってますが、Z50J-Ⅲのゴリラをちゃんと持ってるから許して。

 

購入から100km程度乗りましたが、色々言えることとして…

 

・エンジン腰上周りとかキャブ周りとか駆動系周りの締め付けトルクが滅茶苦茶(基本的にゆるゆる)
・ブレーキが死ぬほど引きずってた
・電装系の位置がムカつく(スペースがないのはわかるけどCDIとマフラーの位置が…)

・ありえんほどローギアなスプロケ(ギア比2.642)

・どうもドン付きまで踏んでもグニャッとくる変なブレーキ

・やたらと重たいクラッチ

・はめあい部品のチリのガバガバさ

・工具をぶつけるどころか爪で引っ掻くだけでも剥がれ始める脆い塗装 

・光の速さで壊れる電装系


以外の不満は特に無いです。

 

走ることに関しては何の問題もないですね。ブレーキ終わってるけど。

 

 

 

本物も同時保有してて、かつ本物のレストアを経験したからこその文句はたくさんありますが、逆に言うとそれだけの改善の余地がある。

つまり、弄り甲斐があるマシンというわけです。

 

その弄り甲斐が非常にたのしい。

 

 

 

ここまで書いて、まだ「いいじゃん、中華モンキー。欲しいなぁ。」と思える変わり種マシンを求めてる方はこれからの中華モンキーシリーズをお楽しみに。

そうじゃ無い人は素人さんお断りな記事ばっかりになると思いますので、適度に引いてください。

 

 

ブワァーっと言いましたが、現時点でカイゼンできた点についてひとつづつ噛み砕いていきます。

 

 

 

 

・エンジン腰上周りとかキャブ周りとか駆動系周りの締め付けトルクが滅茶苦茶(基本的にゆるゆる)

 

これが一番怖い点。

エンジンですが、実はキャブ調整無しの箱出しキック二発で始動しました。

が…。どうもアイドル中にブスブス言います。

これはキャブセットが出てないとかそんなんじゃなくて、ラムエアを吸い込んでいる時の症状。

 

まさかと思ってインマニ〜キャブレターのボルトを増し締めしてみると、ボルトが2回転近くまわりました。

おそらく…組み立ての際はやさしいトルクの電動工具で適当に組み付けてるだけのような気がします。

一応、怖いのでエンジンのシリンダーヘッドのナットも増し締め…もちろん14Nmで…を行ったら、10Nm前後でしか締まっていなかった。

腰下回りはメンドイので手をつけてないのですが、不安は残ります。まあラムエアを吸う症状は無くなったので良しとします。

 

あと。そのへんをしっかりした上でキャブセットをしても、レギュラーガソリンを入れた時点でどうも失火…というか、点火タイミングがおかしいようなエンジンの動きをしてます。

 

騙し騙し、ハイオクで走らせたらいい感じになりました…。まさかのハイオク仕様?変なハイカムハイコンプ仕様だったりする?

中身はやっぱりめんどくさいので見ません。知らんけど。

あと当たり前にカムチェーンテンショナープッシュロッドヘッドゴムは日本製に交換しました。これに関しては中華エンジンのド定番なので…。

 

・ブレーキが死ぬほど引きずってた

 

普通に走ってしまうので気づかないのですが、箱出しの状態でブレーキがゴリゴリに当たってます。

まあ慣らしが出来たのでよし…としますが、

 

走行前にブレーキ調整は絶対必要です。

 

 

・電装系の位置がムカつく

 

隠しようがほとんど無いネイキッド具合。

でも…

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CDIがここなのは少し怖い。

マフラーの熱もそうだし、タイヤから水やら泥の巻きあげが非常に多い(であろう)場所です。

タンク前に移設しました。

ほかにも、おそらく他車種流用のクソ長いハーネスの纏め方がムカつきます。

写真を撮る間もなくタンク下に隠しました…。

 

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もう、イラッとしてビフォーの写真を撮る前に改善してしまうので、タイトルの「カイゼン記」とは…?と自分でも思ってるんですが…。

シート下の配線も隠しました。

 

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隠さないと、この配線がフレームに沿ってる状態になって非常にみっともない…。

 

 

 

・ありえんほどローギアなスプロケ(ギア比2.642)

 

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一目見てわかりますが、超デカい謎スプロケ

しかも肉抜き無しで超重たい。というかビジュアル的にアレ。農機具かよ。

 

比較すると…

ゴリラ(フルノーマル50cc)
14丁:29丁=2.071

中華モンキー(89cc 4MT)
14丁:37丁=2.642

 

トルクフルなエンジン積んでるくせに死ぬほどローギアです。

この状態で試しに4速発進をしてみましたが、余裕です。

普通に1速発進をしようものなら明日の青空を仰げます。

しかも謎にハイスロなのでスロットルワークが激ムズ。

 

スピードを伸ばしたいというよりも、トルクを殺したい目的でスプロケットをハイギアード化しました。

 

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まああらかた予想通り。モンキー用の420スプロケットポン付けです。

今時は428サイズなのに…。

 

変更したスプロケは16丁:33丁=2.063。

50ccゴリラと同じギア比ですが、かなりマイルドになりました。

それでもまだトルクフル。2速発進余裕。

一応ギア交換後の最高速は、よわkm/hは出ます。

サスの頼りなさがヤバいのでそれ以上は危険。

 

恐らく車重が58kg前後しかないくせに90ccのエンジンを積んでるから、素人が乗り回せる乗り物ではないです。

もっとハイギアにしたい人は17丁つけましょう。

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17丁つけた状態はこれ。

CDIとエンジンブロックとの干渉具合があぶないのでおすすめはしません。自己責任で。

 

あと。この時は気付いてなかったのですがチェーンラインが絶望的に出ていません。

たぶん20mm近くズレてる。

新しいスプロケにして100kmぐらい走ってからチェーンを清掃しましたが、

 

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こんな調子。こりゃいかん。

これではチェーンを痛めつける上に、新しい国産チェーンに変えても同じことになるのは容易に想像できます。

 

これに関してはモノのバラツキがあると思うのでなんとも言えませんが、

僕はアクスルシャフトのブレーキ側にM12ワッシャーを2枚追加して調整しました。

 

 

・ドン付きまで踏んでもグニャッとくる変なブレーキ

 

とにかくブレーキの信頼感がゼロです。

 

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レバー比がおかしい?可動部のグリスアップが足りない?ドラムの仕上げが悪い?

 

要因は全部です。

リアのブレーキペダル側のリーチは本物の半分ほど。

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これは、腰下がデブい中華エンジンとの干渉の兼ね合いがあるので仕方がないのです…。

 

そして、カムのグリスアップもされていません。

ドラムの仕上げ面もメチャクチャです。荒仕上げで終わってる。

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なによりも一番ヤバいのが、ブレーキシュー。

ライニングが爪で剥がれます。

こんなものに命は預けれません。

 

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同じ中華製ではありますが、日本の販売元より発売されているブレーキシューに交換しました。

 

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ついでに純正互換のブレーキペダルも買いました…が、やはり腰下がデブいのとリーチが長すぎて可動域が狭い。そもそもシャフトの幅も違うので、かなりの加工が必要です。

これについては別途記録にするつもり…。

 

でも、このブレーキシューでかなりマシ…というか、やっとまともに効くブレーキになりました。

 

 

・やたらと重たいクラッチ

 

下手したらリッターSSの油圧クラッチよりも重たい。

要員らしき点を挙げると、

クラッチケーブルの取り回しが無理やり

・ケーブルのアウター、インナー間に油が入ってない

クラッチカムの可動部にグリスが塗られていない

 

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ここです。

これがデカイ。

 

しかも、カバーの内側のパッキンは驚きのレス仕様。

雨の日に走るとクラッチの稼働箇所死ぬよ!

 

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シャーシグリスを塗りたいところですが、パッキンレス。

ゴミが入ってシャーシグリスに付着するとダルいので、こまめにメンテルーブをさすことにしました。

 

パッキンを買えばいい?ごもっとも…

また買います…

 

 

 

・はめあい部品(ライト)のチリのガバガバさ

 

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これを許せますか?僕は許せません。

 

ただ…これの要因を探ると、

・根本的に取り付け方が違う

・全くライトを支える気のないぐにゃぐにゃなライトケース

が原因。

 

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こちらは本物のゴリラ。

カブ・モンキー系の電球交換とかで触ったことあるなら分かると思いますが、上側が爪になっていて下のネジの締め具合で光軸調整、取り付けを行います。

また、そもそもケースも頑丈です。

 

対して中華モンキー。普通のシールドビームライトのような3点をネジで抑える取り付け方です。

それはいいのですが、ヤワなケースがネジを締めるトルク次第で変形してしまう。

根本的にケースごと変えなければチリをなんとかすることはできません。

 

まあ…明らかに「うわあ中華モンキーだ」って思われそうなのはこのデカいライトなので、もう一回り小さいライトケースにまるごと交換するのが得策でしょう。

それまでは我慢。

 

 

 

・光の速さで壊れる電装系

 

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こちらはウインカーのレンズの中身。

ある日、お買い物に行った帰りに突然荒ぶるウインカー。

 

スポット溶接でソケットが取り付けられていますが、こいつが剥がれてハイフラが発生しました。

スポット溶接機なんて持ってないし、半田は弾きまくって修理できる気配がない…困った…

と思ってたのですが、

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そのへんに転がってたネオジム磁石でソケットと本体を取り付けました。

クソ硬いフロントサスペンション、リジッドシャーシの振動からどうせウインカー本体を変えたところでまたスポット溶接が剥がれるのは目に見えています。

これなら多少の振動にもフレキシブル(物理的)に対応してくれるし、何より100均のネオジム磁石で治るし、モウマンタイ。

 

あと、届いた当初からロービームも弾切れ。

そしてストップのダブル球も切れました。

ここまで、50kmぐらい走った時の話。

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まさに、光の速さで電装系が壊れます。

 

 

 

 

 

 

と、まあ。

ここまでいっぱい書きましたが…。

やっぱりこういうのを「もー、お茶目だなあ♡」ぐらいのモチベーションで弄れる人が楽しめるおもちゃです。

 

タンクの塗装なんて目も当てられないし…

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もちろんすぐ塗り直し。

チープな色に合わせてプラモデル用スプレーでサッと。

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現時点の感想ですが、

弄るのが嫌!走りたい!って人には全くオススメできません。

ぼろぼろの本物モンキーの方がまともに動くと思います。

 

それよりも自分の手で創意工夫していく面白さに「キットバイク」という名前がつけられる所以であり、そんな名前で販売されているのが素人さんお断り…という点であると思います。

 

冒頭に書いた内容と同じですが、

 

ここまで書いた不満は正直走らせる上では大した問題ではありません。ほぼ自己満です。

最低限走るだけならなんの問題もありません。

実際この記事を書くまでに200kmほど走りましたが、自走不能・大きな故障による事故等は何も起きておらず、

 

値段…10万円で買えることを考えれば十分すぎるクオリティです。

 

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その全てを踏まえた上で、

 

中華バイクはいいぞ!

 

 

 

…あらかた治したから、あとはちょこちょこオイル変えて壊れるのを待つのみ。

 

PROJECT [T] セッティング編

貧乏人の知恵の見せ所。

 

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片や鈴鹿サーキットの2021年ポイントリーダー。

片や5万円で組んだよくわからないなにか。

 

 

前回、ひとまず形になったTIAを「勝てる」マシンに仕上げます。

が、前提としてこのマシンのコンセプトを明確にしておきましょう。

 

⚪︎φ40シャフトとφ17ナックルは絶対固定。

それを変えればしなやかな動きになって速くなるのはもちろん理解してます。ベアリングホルダーのベアリング径はφ50用ベアリングと一緒だから、ホルダーはそのままでベアリングを入れ替えたらすぐφ50化はできます。あとブレーキはWFからC型ブレーキ、もしくはCRG系のブレーキを移植すればいいと。

ナックルも入れ替えてアッカーマンを合わせればいい感じになることもわかってます。

 

でもそこまでやったらTIAではないじゃないですか。

φ40シャフト!φ17ナックル!なんかパッドをナメそうな怪しいブレーキ!

その上に1040mmショートホイールベース、昔ながらのナローシャーシが合わさって、初めてTIAと呼べる、と僕は信じています。

この信念がいつまで続くのか。

 

⚪︎破損部品の交換は除いて、予算は5万円

それも含めてのさらに上記こだわり。部品を敢えてホイホイ買わず、破損は除いてマシンセッティングを合わせる勉強と考えて最低限のもので頑張る。

現時点、シャーシ4万円、φ17ハブ3000円。43000円号。

 

この2つにこだわって、マシンメイクを進めていきます。

 

つまり、

 

TIAらしさはそのままに、中古車体価格含め5万円の(それなりに)勝てるマシン

 

これが目標です。

 

まあ、ありものとか「古い中古レーシングカートを買ったものの、どうすれば人間は頑張らずに速くなるんだ?」という考えをお持ちの体たらくな人(僕含め)には参考になれば幸い。

 

 

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まず定番のチューニングとして、ダブルシートステー。一番重たいパーツ、「人間」が抑える力、シートとシャーシを繋ぐ箇所を多くして高剛性化。

これがなけりゃはじまりませんってレベル。

よほどのハイグリップ路面は別として…。

 

TIAは、ベアリングホルダーがとにかく簡潔化…というか、基本設計が90年代で止まっているようなシャーシです。

そのため、ダブルシートステーにする前提でボルト穴が空いていません。

 

僕の場合は、左側はブレーキキャリパーと共締めにしました。

右側はなんかノリで。

シートステーは1本1000円〜2000円ぐらい?

僕はカートショップの在庫から使用用途がビミョーなやつ(FL製、M6ボルトのステー)を格安で入手しました。

 

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ダブルシートステーは当たり前として、僕のTIAはフロアパネル2枚重ねを行いました。

これによりナローで負荷がかかりやすく、そもそもが柔らかいTIAの動きをもっとシャキッとさせようという狙いです。

フロアパネルは、カートショップの在庫処分セール的な扱いを受けてたため2000円。

 

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ちょっと注意したいのは、ありもので組んだもののTIAは年式によってフロアパネルの大きさが違います。

僕の場合、脱着式タンクとリアスポ対応の新型TIAのためちょっと具合が悪かった。

 

が、前方4点をきちんとしめればそれなりにカチッと動くようになりました。

 

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ごく自然な流れで冒頭に書きましたが、フロントハブ化もしています。こちらも足元の高剛性化が目的。

一般的なオープンシャーシはφ25。

ただし、繰り返しますがTIAは基本設計が90年代で止まっているようなシャーシ。フロントナックルはφ17です。

φ17の格安価格で湧いてくるハブとなると、現在のオープンカデット用シャーシ用ハブ。

カデット用のパーツってのもなかなかのお手頃価格でございまして…。

僕はOTK ROOKIEシャーシ用の中古を安く手に入れました。もちろんポン付け。

 

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このTIA専用といっても過言ではないパーツ。

それがホイールです。

これは2007年ぐらい(TONYKART Racer EVX〜EVXXとかそのへん)のホイールを中古で購入。

 

現在、オープンシャーシのレースで勝つためにはとにかく高剛性なゴツいホイール…つまり1本2万円近くするなんとも言えない色のホイールですね…が必須と言っても過言では無いです。

 

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こちらは僕が本チャン用として乗っているマシン。このマシンのホイールが4本で8〜9万円近くするので、接触で曲げると大体レース後に泣いています。

 

もちろん、このホイールは本チャンマシンを走らせない時には余ってるのでレースではTIAにも使っています!

 

なんてね。

 

TIAには高剛性ホイールは非常に相性が悪いです。

クソ高い高剛性ホイールとしての価値はもちろんあります。

が、TIAのグニャグニャなシャーシにはホイールの剛性がシャーシに負けて、バンバン跳ねまくるマシンに豹変します。

 

そのため、敢えての古いカートのマグネシウムホイールを装着してシャーシとのバランスを取っています。

これに関しては、ある程度のしなやかさがあるφ50シャフト・φ25ナックルのシャーシには話が通用しないかもしれないので、自身のシャーシのバランスを確認してください。

 

 

 

 

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TIAの特異なセッティングというと、これぐらいではないでしょうか?

あとはセオリー通りにトレッドとかアライメントとかエア圧を合わせればそれなりに走ります。

事実、とあるコースの草レースではトップ争いの出来るマシンまで仕上がりました。

ここまで、

・シャーシ40000円

・フロントハブ3000円

・フロアパネル2000円

・ホイール(前後)5000円

  計50000円

 

これ以上はカネは掛けれまへんで!

 

もちろんパーツ交換とかではないこの記事に書いてないことのセッティングは色々施していますが…それは自身で探してみてください(笑)

 

理解したつもりのカートセッティングを見直す良い機会。

勝てる、勝てないは一瞬置いておいて、TIAはセッティング勉強・トレーニングにはスタートもランニングも低予算で進められる最高のマシンです。

 

それでも、現在冒頭に掲げた「勝てる」ということに関しては目標達成できていません。

 

これに関しては走り方をTIA独特の走り方をしなければいけませんが…今回はマシンメイクの話だからまた別の話。あとは人間の問題。

 

ここまででTIAのセッティングとコスパについて統括すると、

 

総合的なシャーシ側剛性アップと帳尻の合わせた足回りセッティングが重要。それが行えればそれなりに戦える!

 

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さて、次はこのTIAの走り方についてですが…

 

これが自分でも理解できてないから記事に出来ないのですナ。困った。

PROJECT [T] 制作編

令和の今、需要はない自己満足のシリーズの幕開けです。

 

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レーシングカートの名車、TIA

その「TIA」の意味はご存知でしょうか?

僕は知りません。知ってる人います?

Thanks In Advance?知らんけど。

 

 

 

10〜18歳ぐらいの年齢をターゲットとしたレーシングカート入門マシンとして、一時期は一世を風靡したWinforce-TIA

今となっては…カデットオープンの繁栄により、TRY・TIAはすっかり衰退してしまいました。

(と、思います。少なくとも西日本では。)

 

となると、行き場を無くしたシャーシは激安で市場に出回るわけで。

 

そんなTIAを買ってしまいました。

 

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諸事情でカウルは隠してますが…

 

こいつを改造してSS仕様にします。

 

利点としては、

ホイールベース1040mmによる小回りの良さ

・φ40シャフトが頑丈

・部品が安い(重要)

・車体が軽いからデブな僕でも大丈夫

な点。

 

纏めると、

ショートコース特化のランニングコスト激安なホビー車両

が目標。でもきちんとレースで戦えるマシンにもしたい。

 

 

 

・制作について

人から部品をパク…借りたり、家のガラクタをかき集めて、形になりました。

 

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フロントハブはφ17。OTKのカデットシャーシ用パーツから。

ブレーキ周りのボルトは完全固着してたので、全バラしてオーバーホール。

 

純正のフロントバンパーをぶった斬って、無理やりM4カウルが付くようにしたり。

サイドカウルはシャーシ側に穴をあけてM4カウルをポン付け。

 

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M4にした理由は軽量化のためです。

僕は体重63kg。そのためSS仕様になると少し苦しい。

純正のバナナカウルは激重だし正直カッコ良くないし…。

 

困ったのはバッテリー。シャーシが小さい分、シャーシにマウントするタイプのMAX用バッテリーホルダーが非常に取り付けしづらい。

じゃあヤマハ純正のシートにつけるホルダーでええやん…ってなるのですが、手元にないので、MAX用を無理やり斜めにつけました。

リレーはステーを自作。

 

走れるようにするまでに工夫した点はまだまだいっぱい有りますが、敢えて言いません(笑)

 

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見た目は完全にOTKシャーシ。

SS仕様の形になるまでに追加した部品というと、

・カウル

・フロントカウルのパッチン

・フロントハブ

ぐらい。

あと完全に好みですが、TIA純正の小径レザーステアリングは超重ステになるので、本チャン用のFAからパクります。

 

最終的に、乾燥重量76kgという超軽量マシンに仕上がりました。しかもSEC仕様。

 

 

 

 

・セッティングと破損対策

このマシンの目標は、和歌山県の「きのくにカートランド」にて行われているレース。

SL規格無し、1周28秒、ギア比9.0の超ショートコースです。

そのため、古いカートの小ささを生かして小回りの効く車にしたかったのです。

 

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で、三重県のレインボースポーツでテスト走行、きのくにでもテスト走行をしたのちレースに出場しましたが…。

 

自分の実力不足もあり、惨敗…!

 

 

 

そのため、「勝てる」マシンメイクを行います。

ただ、今時のシャーシのセッティングが通じるかと言われるとTIAは別物です。

なので、いろいろと特殊セッティングを施していくつもりです…。

 

 

 

ただ、楽しくカート遊びで走る・トレーニングするだけなら十分なマシンは出来ました。

ここからが沼の始まり………。

 

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次回へ続きます。