備忘録④

日々の趣味の備忘録。

ヴァリエッタに乗り続ける理由。

もう車検だし手放そうかな…いやでもこんな車二度と乗れないだろうし…と悶々とし続け5年。

 

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僕はシルビア ヴァリエッタに乗っています。

今では、某ユーチューバーで有名なこの車。

年々値上がりはしているものの、中古車サイトには10〜15台程度の在庫は常にある。

つまりその気になれば買える車ですが、限定1120台という超希少車である故、なかなか実際に乗っている人のリアルな生活事情はどうなん?という情報も出てこないもの。

 

というわけで、ヴァリエッタに5年間乗り続けるまでに至る、リアルな事情をつらつらと書いていこうかなと思います。

 

 

 

 

  • なぜ、ヴァリエッタという選択に至ったのか?

高校3年の夏。車大好きキッズである僕は常に中古車市場を漁っていました。

このとき、僕が車に求めていたのは、まず100万円前後で買える値段かつ、

・ある程度の実用性 常識的な範囲で荷物が乗って4人乗れる車、できればオープンカー。

・クルマ弄りをする上でアフターパーツ市場が豊富な車

・乗って楽しいクルマ(MT車である前提)

・クルマ好き同士で集まってまず被らないクルマ

の、何れかの条件を満たすクルマ。

"そんな車"を挙げ始めるとキリがありませんが、いろんな種類の"そんな車"を探していたときに、自分の住む町内にあった車が、このヴァリエッタ。

 

友達と遊びに行くことが多いので、4人乗りの車が良かったのです。

4人で遊びに行くとかではなく、2人で乗っても後部座席に荷物を突っ込んで快適に2人乗れる車。

そういう意味での4人乗りなので、実際に4人乗ることは一切期待していません。

 

ただ、4人乗りのできるオープンカーというと、欧州車ハッチバックの屋根ぶった切り(206CC、ビートルカブリオレ等)車が基本。

スポーツカー志向の車はあまりありません。

そんな中、ヴァリエッタは数少ない4人乗りのスポーツ志向なオープンカーなのではないのでしょうか?

思いつく限りでは、あとはマスタングとかセリカコンバーチブルぐらい?

 

また、人と被らない希少性もいい。街中では見たことが無いですし、実際のこの個体を見た際に初めてリアのトランクのダサさには驚いたものです。

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そんなこんなで、まさか全ての条件を満たす車が見つかり、一目惚れでヴァリエッタになったわけです。

名前の響きもカッコいいよね。Varietta。ヴァリエッタ。

 

 

 

 

 

  • やっぱり壊れるし、ルーフ関係の部品は少ない

納車されて直後。いきなりルーフ関係のトラブルが発生します。

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普通の写真に見えますが、よく見ると運転席側の三角窓が下がっていません。本来はオープンにすると下がっている状態。

 

普通のS15で言うリアの肘掛け・小物入れスペースになる、狭いスペースに本当に両手のひらサイズの小さいウィンドウレギュレータが鎮座しているのですが、

 

レギュレータのレールを走る樹脂製ローラーがなぜか異常な速さで摩耗するため、レギュレータが引っかかって三角窓が下がらなくなります。

 

このまま放置すると、最悪の場合三角窓がルーフの開閉の際に粉砕することも。

部品は対策品が出てるので、この症状が出ている個体なら修理要です。部品単体で2万円ぐらい。

 

また、飛び石でフロントガラスが割れたこともあります。

 

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飛び石によるガラスの割れはまあありがちなトラブルではありますが…。

ヴァリエッタの場合、普通のS15とは違いガラスのR(曲げ具合)とルームミラーの取り付け方法に違いがあり、専用部品となっています。

 

さらに、この時点で製造から17年経過。日本車だから当然そんな年数の経った車のアフターパーツなどありません。

なので、ヴァリエッタのガラスが見つかるまで2ヶ月ほど部品探しをディーラーにしてもらいました。

普通なら中華ガラスとかがあるはずなんですが、純正しかないため、思ったよりもかなり高額な出費に。

 

ただのフロントガラスですら部品が出てくるのに2ヶ月も時間がかかってるのに、前述のルーフのトラブルによる「最悪の場合三角窓がルーフの開閉の際に粉砕」した場合はどうなることやら…。

 

また、もう一つ独特のトラブルは、ルーフロックのセンサースイッチです。


この時のトラブルは写真を撮り忘れたのですが、ルーフロックはロックと同時に金属製のレバーを引っ張り、ルーフのロック忘れセンサーとして機能している部品があります。

半ドアセンサーと同じ仕組みですね。

これのレバーが折れました。

 

この時はスイッチ自体の部品もなく、ルーフロックASSYごとの取り寄せに…。

 

 

 

 

長くなりましたが、この項を纏めると、

 

ルーフ関連の電装系トラブルが頻発する上、部品の入手に1〜2ヶ月程度の時間が必要

 

ということです。壊れたらすぐディーラーに駆け込みましょう。

 

 

 

 

  • 電装系も壊れまくる

 

あっ、この瞬間が日産車だね。

 

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90年代日産車コマーシャルのキャッチコピー。

 

どんな瞬間か?

 

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ある日。家を出ようとエンジンを掛けようとすると、セルが回らない。

 

アクセサリーは入るし、エアコンも動くからバッテリーではない。となるとセルモーターか?

 

試しにセルモーターをハンマーで軽く叩くと、セルが少し動く。が、エンジンはかからず。

結局、JAFに来てもらい、ドナドナ…。

結果としてはセルモーターのターミナル接触不良。

 

 

 

また、夏の暑いある日。

 

全身に冷房を浴びたい気持ちが高まり、クーラーの吹き出し方向を変えたところ、エアコンの内側からカチカチカチカチカチ…という異音が…。

一気に修理代でお金が吹き飛ぶ予感がして暑い車内で背筋が凍る。

 

これはエアコンのルーバー切り替えギアが欠けたことによるギアの滑り音。こうなると歯車単体で販売してないのでエアコンはASSYでの交換になります、

 

で、また度重なるルーフの不具合!

幾度と発生する電装品関係トラブル!

 

あっ、この瞬間が日産車だね!

 

車が好きな人ならご存知かと思われますが、やはり日産車の電装品はやや貧弱です。

上記は普通のシルビアでも起きるトラブルです。

ヴァリエッタを購入することを検討している方は、普通のシルビアの電装系トラブルも要チェックです。

 

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仲のいい友人氏が6〜7年間ほど?前期型のS15シルビアに乗ってますが、お互い似たようなトラブルが発生しています…。お互い発生する度に相談してたり。

 

 

 

 

  • 流石シルビア、改造部品なら無限にある。

 

シルビアでの集まりの際に、エアロの組み合わせが他の人と被ることはまずありません。

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それぐらい、豊富なアフターマーケット。

マフラー、ホイール、サスペンションまで、本当に無限に選択肢がありますし、ヴァリエッタはトランク周りの部品以外は殆どが流用可能です。

 

ただし、普通のシルビアとはリアのバンパーの全長がほんの少しだけ(30mm)長いので、リアバンパー交換と、マフラー交換の際に出口の長さには注意。

 

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特にスライドテールのマフラーであれば、突き出し量を調整しやすいのでオススメです。

 

 

 

  • サーキットの走行性能は?

 

オープンカーは剛性が云々カンヌン…。

 

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僕はプロのレーシングドライバーでもないし、ただのど素人です。

 

が、それでもわかる剛性の弱さです。

ハイグリップなタイヤを履くとよくわかりますが、この車はサーキットを走る車ではないです。

そもそも純正の設定がNAでMTも5MTしかないんだから、やはりサーキットや峠をかっ飛ばすよりも、ゆっくりと湘南の海岸沿いを流すためのクルマです。

 

じゃあ全く運転が楽しくないのかと言われるとそうでもないです。

オープン機構と補強でやや重たくなったボディではありますが、元々のバランスがいいクルマなので走りは軽快です。

 

湘南の海、走りたいなぁ。オーテック…ヴァリエッタの生まれ故郷。

 

 

 

  • 実用性は?

いやそんなもんスポーツカーに問うなよ。

とは言い切れないのが世間一般の空気。あくまで車は移動・重たい荷物を運ぶ手段。

 

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ロードバイクはリアシートに乗るし、

 

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ちゃんと4人乗ってアメリカの西海岸ごっこも出来るし、ゴルフバッグを乗せてゴルフにも行けるし、スノボも行けるし、ゴーカートのタイヤ15セットをトランクに積んだことだってある。

結論としては、

 

シートを倒したトールワゴンの軽自動車並みの利便性はあります。

 

スポーツカーなら上出来でしょ?

 

 

 

 

  • ただのシルビアなのに、すごく目立つ

 

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物好きな人から話しかけられる頻度がとにかく多いです。

 

・これ限定のシルビアのオープンカーだね

・シルビアにオープンカーなんてあるの

・この車何?

・「赤い記憶」の車だ!

 

ってことがコンビニやSAで停めると言われる事が多い。

また、東京だとオープンで走ってると外国人が写真を撮ってサムズアップしてきたりする。

やはりクールな車です。

 

また、自身が5年間乗ってきても、たまたまヴァリエッタ同士で遭遇したのはたった2回。

1回目は、高速道路の同じ車線で。

2回目は、バイパスの対向で。

相手は目ん玉飛び出そうな顔してたし、僕も多分そんな顔になってた筈です。

地味だけど、分かる人には分かる。

 

 

 

  • 結局、乗り続けちゃう。

 

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電装系はしょっちゅう壊れるし、オープン機構も壊れる上に高額な修理代だし、普通のシルビアより車重が200kg近く重いせいで燃費だって良くないし。

 

でも、それ以上にクールで、レアで、弄りがいのある車です。

実用性だって、普通の軽乗用車と変わらないし。

 

車検毎に、「乗り換えようかなぁ」と思ったりするんですが、やはりこの車の希少さを考えれば、手放せばもう二度と乗れないレベルの車。

 

20年落ちのスポーツカーに乗ってる時点で、壊れるからイラつくとか言ってるのがナンセンスです。

 

 

 

 

 

 

いかがでしたでしょうか?

 

当然壊れはするけど、改造部品が豊富で、なのに超希少車で、走りは楽しく、実用性も軽乗用車並みにあるヴァリエッタ。

 

なかなか僕が手放せない理由と、ヴァリエッタの良さが伝われば嬉しいです。