ポタクが逝く自転車の旅 名古屋〜秋葉原編 第3話
3日目の朝。昨日の23時に寝て7時起床。
ここのホテルの温泉がすごく充実してて、朝風呂に45分近くふやけるほど浸かり、
朝飯をたらふく食う。
寝て、風呂入って、飯食って。
コンディションは良好。いよいよ箱根へ挑む。
ホテルを出発したのは9時。
それから2時間後…。
無事、死亡。
なんなんだここは。
1号線。歩道はある。
しかし、草がぼうぼうで道もガタガタ。
伸びている草で腕も切った。痛い。
何より、この永遠に続くかと思わせる坂。
本当にえげつない。
途中から、
あまりにも頂上が見えないことに対する絶望、
皮肉のように高くなって行く景色に、
思わず一人で笑いながら登っていた。
人間、本当に極限状態になると笑うっていうのは本当なんだな。
そんなことを思いながら、4時間。
やっと、頂上。
この登り続けた4時間。
本当に辛かった。
GoProも、あまりにも辛すぎて回している暇がなかった。
それと共に、安堵感に包まれながら蝉の声を聴いていた。
最大の難関、箱根を越えた。もう僕には怖いものはない。
そんな思いで、すぐ下山。
下り坂はいいものです。
上りは4時間近く掛かって20kmしか進んでいないのに対し、
下りは1時間で40kmも進んだ。
速度?ワープしたんですよ。
気づけば小田原城。気づけば神奈川県。
東海道を往く。
つまり、歴史的名所を訪れながら走る。
岡崎城然り、箱根関所然り、味があっていいですね。
箱根関所は疲れすぎてスルーしてしまいましたが。
下山して街に出たので、ご飯です。
適当に道沿いにあった吉野家へ。
宿は、13時〜14時ぐらいに体と相談しながら決めて走っています。
現時点、横浜。14時。
知らないうちに凄いところまで来ていました。
東京まで残り40km。
あとは都会だし、平坦な道ばっかだろうし、
最悪、巡航10kmで走っても、4時間で着く。
18時には着くだろう。
イケる、と思い秋葉原に宿を取りました。
これが大失敗。
田舎民の思う都会は、平坦な道ばかりだと思うはず。
本当の都会は実は首都高やら電車やらを避ける為の地味なアップダウンが多い。
しかも、上りを登りきったところで、下りの惰性を生かせないまま信号待ち。
ストップアンドゴー、しかも地味な上り多め。
下り坂は意味がない。
実はかなり体力を消耗するステージでした。
結局、10kmおきに休憩しながら少しずつ進みました。
東京都に入ったのは17時半。
もう体はバキバキ。速度も10km/h以下で超スロー。
秋葉原まで10kmを切っている。
日本橋。日本の道路の起点。
1号線を通って来たんだから、最後ぐらいは挨拶しときましょう。
ここから上野方面へ走ります。
あと1km。
着いた。
走行距離400km、平均速度19km/h。走行時間21時間。
夏の太平洋を、ゆっくりと走った3日間でした。
天候にも恵まれ、精神的にはかなりストレスフリーでした。
この後は、丸一日アキバでゆっくり過ごし、
翌日、新幹線で帰りました。
21時間かかった距離を2時間足らずで結んでしまう。
恐ろしい乗り物ですね。らくちん。